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  3. 24hコンビニの業態「ドミナント戦略」
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実は効率の良い戦略

自分の生活圏内にコンビニが数軒存在しているのでいつも不思議に感じているという方も多いはずです。
違うコンビニチェーンならお互いに競合し合っているのかなと感じられますが、中には同じコンビニチェーンがすぐ近くにあるのに、徒歩10分くらいの距離に存在しているという場合もあります。
こんなにコンビニが密集していてはお互いに客の奪い合いになってしまうのではないかと余計な心配をしてしまいますが、実はこれはドミナント戦略と呼ばれるもので効率の良い経営戦略の一つなのです。
24hコンビニの業態として知られているドミナント戦略とは、具体的にどのようなものか確認してみましょう。

ドミナント戦略とは

コンビニのドミナント戦略とは、店舗を集中して立地させることによって効率良く利益をもたらす戦略を言います。
ある特定の地域では同じ系列のコンビニチェーンが集中しているのに、ある地域では全く店舗が存在していないという現象も見られます。
例えば大手コンビニチェーンのセブン-イレブンは、どこの都道府県にも存在している全国展開のコンビニチェーンだというイメージが強かったものの、しばらくの間青森や鳥取など店舗が存在していない県が存在していました。
現在は青森や鳥取などにも少しずつ店舗が展開されており、残る沖縄にも出店計画があると言われています。

なぜこのように特定の地域に集中するのかというと、商品の配送コストなどを考えた場合に特定の地域に集中させると効率が良いからです。
遠くの地域にバラけて店舗が立地していると、店舗間の輸送コストが高くなってしまいますが、近くに店舗が集中していると輸送コストを削減することができます。
先に店舗を展開させるよりも、先に物流の拠点を確保してから店舗を展開した方の効率が良いと考えられるのです。

ちなみにドミナント=Dominantとは支配している、優勢であるという意味があります。
特定の地域にたくさん店舗が存在していると、その地域で生活している人に強いインパクトを与えることができます。
いつの間にか親近感が湧いて、自然に足を運んでしまうという状況になって結果的にコンビニの利用率をアップする結果に繋げるのです。

また、自社のコンビニチェーンが地域を独占するような印象を付けることで、他社が新たに参入するのは難しくすることもできます。
既にその地域で顔となっているコンビニには勝ち目がないと考えて出店を遅らせることができ、結果的にライバル店を押しのけることができるのです。

ただし、ドミナント戦略の弱点として指摘されているのが、コンビニチェーンの本部は利益を得ることができても各店舗の経営を脅かす可能性があるため各店舗のオーナーにとっては厳しい経営を強いられているケースがあることです。

カテゴリー: コラム