紙カップの実証実験がスタート
ファミリーマートは2023年2月7日からおよそ1カ月の間、紙コップの蓋をプラスチックではなく紙素材にした一体型のカップ「The Good Cup」を導入した実証実験を実施しました。
従来のモノトーンカラーから、ブラウンを主体にしたカラーデザインへと変更されています。
この実験を実施している店舗は、ファミリーマート本社屋内にある社員専用の1店舗です。
また、完全紙カップを利用する商品は、ファミリーマートが展開する「FAMIMA CAFÉ」シリーズにおいて最も販売数が多いブレンドコーヒーのSサイズのみとなっています。
この実験のスタートに合わせて、ファミリーマートはブレンドコーヒーの豆をより高級感のある有名バリスタ監修のものへと変更しました。
これにより、カップの変更による顧客離れを防ぎ、より多くの利用者からThe Good Cupに関する感想を集める狙いがあります。
ファミリーマートが狙うプラスチックの削減効果
ファミリーマートがThe Good Cupを導入する背景には、2021年より全社体制で取り組んでいる「ファミマecoビジョン2050」があります。
このプロジェクトには5つの大きな柱があり、そのうちの1つである「食の安全・安心、地球にもやさしい」を実現する重要なファクターとしてThe Good Cupが検討されているわけです。
これはまったく新しい考え方に基づくデザインのカップとして、既に特許出願が行われています。
ファミリーマートとしては、本体と蓋を一体化させたThe Good Cupを全店舗で導入することになれば、2021年のデータと比較して年間およそ250トンのプラスチック削減に繋がると試算しており、サステナビリティや環境負荷を軽減するという観点から非常に大きな効果があると見込まれています。
SNSでは様々な意見が交わされている
完全一体型の紙カップに関しては、SDGsへの積極的な取り組みとしてSNS上で好意的な意見がいくつも見られています。
例えば、「1つの素材で作られているので飲み終わった後に蓋だけ分別する必要がなく、そのまま可燃ごみとして処理できるのはありがたい」「環境へ配慮しつつ、飲みやすさも失われていないのはさすが」といった意見が広く見られています。
一方で、実際にコンビニコーヒーを愛用する人たちからは実際に使い心地に関して懸念する声も少なくありません。
例えば、「飲み口が紙だとゴワゴワしてしまって飲みづらそう」「徐々にコーヒーが蓋へ染みてしまい漏れ出したりしないか心配」といった意見です。
また、「口を付けた瞬間に紙の味がしてしまって何だかいや」というネガティブな意見も珍しくありません。