ファミリーレストランの深夜営業の見直し状況は?
2017年1月より、24時間営業を取りやめたファミリーレストランがあります。
「ガスト」「ジョナサン」等を展開するすかいらーくグループや「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスです。
電通の社員の過労自殺等、社会は、過剰な働きに対しての見直しの動きが出ていることも、影響しての処置ではないかという見方もあります。
コンビニの24時間営業の見直し、百貨店の元旦営業といった過剰とも言えるようなサービスは、廃止すべきという声も続々と上がっている昨今ですから、この決定はメディアからも好意的に受け止められていました。
けれども、その一方で、深夜営業をやめてしまうと、その時間帯に働いていた人の生活など、大丈夫なのか、利用していた人の行き場もなくなるのではないかという懸念の声も上がっています。
そして、何より、このように横並びで一斉に深夜営業をやめてしまうことは違和感があるとも、言われているようです。
また、深夜の売り上げが減るという点で、減収減益はどうなるのかということも、懸念されています。
実際のところ、2017年1月に深夜営業見直しに着手したファミリーレストランは、以前から、営業短縮を考えていました。
すかいらーくは、2013年に600店舗の営業短縮、ロイヤルホストは2011年ごろから徐々に営業短縮に着手し始めていたのです。
ですから、先ほど書きました電通の件が、きっかけというわけではありません。
最大の理由は、客数の減少と人手不足にあります。
すかいらーくは、実際に2012年から、深夜の時間帯に客数が減りました。
2013年、深夜営業見直しになった背景は、そこにあるのです。
外食産業は、変動費や固定費が重要になります。
人件費、食材費は日や時間帯によって異なりますが、店舗の減価償却費はいつでも、一定額なのです。
ですから、売上高が見込めない深夜営業は、ストップした方が、企業の支出が少なくなりますから、お得ということになります。
かつては、深夜営業でそれなりの成果を出していたのですが、近年はそれが見込めないのです。
この背景にあるのは、人々の購買力の減少、若年層の労働人口の減少でしょう。
このような構造の元に社会全体で、短縮営業というのも、考えものであるという見方にあります。
生産性の問題はどうなのか知りたい
上記のような問題を踏まえると、見えてくるのは、日本における生産性の問題です。
たとえば、ドイツやフランスといった先進国と比べてみますと、生産性において、かなりの差があります。
ドイツやフランスの生産性は日本の1.6倍です。
これだけの生産性があるから、こういった国々は、深夜営業や休日営業に頼らなくても、利益を上げるには十分でしょう。
このように考えますと、日本は貧しく、稼ぎの少ない国になります。
それでいても、自動車やスマホはグローバルに形成される製品単価ですから、政庁で着ない国にとっては大きな負担です。
こういったことからもわかりますように、日本は長時間労働をしないと生活水準を保てないのでしょう。
日本は、この面において、グローバルな競争環境に、適用出来ないのです。
つまり、日本は発展途上国型経済からの脱却がなされていません。
この問題抜きに労働時間の短縮や営業時間の短縮を実行してしまっても、本質的な解決には、ならないという見方も色濃いものです。
見直すべきは、営業時間ではなく、途上国的スタイルの日本のライフスタイルではないでしょうか。