世間からの要望も多い
医療機関で診察を受けて投薬を受ける場合には近くにある調剤薬局から薬を受け取っているという方も多いはずです。
どうしても急ぎの用事がある時にはすぐに取りに行けないので困ったという経験はないでしょうか?
今までは調剤薬局が開かれている時間は限られていましたが、少しずつ24時間営業をするケースが増えています。
例えば神奈川県にあるアイン薬局の登戸店では年中無休で24時間営業をしており、いつでも薬剤師が常駐している体制を整えています。
このような流れは少しずつ全国各地に広がっていますが、これは調剤報酬改定による影響も大きいとされています。
参考:アイン薬局
在宅医療に対応できる調剤薬局を
調剤報酬については定期的に見直しが行われていますが、近年は高齢化社会に伴い在宅医療に関するニーズが高まってきていることから、調剤薬局のあり方についても見直しが図られていました。
従来の調剤薬局といえば、病院の近くに立地していてその病院にやってきた患者さんが薬を取りに来て営業時間が終われば調剤薬局も閉めるというスタイルが一般的でしたが、どうしても営業時間に間に合わなかった患者さんに対しては薬剤師が対応してくれるケースもありました。
今後はコンビニのような24時間体制になることで更に利便性が増し、かかりつけの薬剤師に薬の管理をお願いできるという流れが訪れようとしています。
基準調剤加算における24時間調剤等体制については、薬剤師が24時間調剤などを速やかに対応できることをいいます。
薬剤師と連絡が取れる電話番号を記載し、緊急時の注意事項などをきちんと説明しなければならないとしています。
また、調剤基本料の特例除外の24時間開局については、薬剤師が当直をするなどの方法で24時間常駐することで処方箋を持参した患者さんに対して調剤できるようになっていることを言います。
客観的にみて24時間いつでも開局していることがわかるように表示するなどの対策が必要とされています。
このように24時間体制の調剤薬局が増えることで、患者側にとっては非常にありがたい限りですが調剤薬局側には様々な負担が増えると考えられます。
まず、薬剤師の数をしっかり確保しなければ24時間体制で営業することは難しくなります。
薬剤師自身の体調管理もしっかり行いながら、仕事に従事してもらう配慮が必要になります。
また、深夜に日中と同じような営業を行うことは難しいと考えられます。
日中はたくさんの人が仕事に従事していますが、夜間はスタッフの数も最小限に抑えられるため日中と同じ営業スタイルは防犯上あまり好ましくありません。
患者さんとの間にパーテーションを設けるなどの工夫をして夜間に仕事に従事するスタッフの安全性にも配慮しなければならないのです。
すぐには全ての調剤薬局が24時間体制になるのは難しいと思われますが、できるだけ早く利便性が良くなるとありがたいものです。